「転職したい!でも、何か資格を取らないとダメ?」
こんなふうに思ったことはありませんか?
特に FP3級・簿記3級・ITパスポート・MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト) などは、取りやすい資格として人気です。
「資格を持っていれば、転職で有利になるんじゃない?」
そう考えて、資格取得を目指す人も多いですが…
💡 結論:これらの資格は、転職ではほぼ評価されません。
実は、私は 企業の採用担当 として何百人もの転職者を見てきました。
その経験から言えるのは、「資格があるだけでは、ほとんど意味がない」 という現実です。
✅ なぜ資格が転職で評価されないのか?
✅ どの資格なら評価されるのか?
✅ 転職を有利にするために本当に必要なことは?
本記事では、転職市場のリアルを採用担当者の視点から徹底解説します!
資格は転職の武器にならない理由
多くの人が「資格を取れば転職に有利になる」と考えがちですが、実際の採用現場では、資格単体で評価されることはほとんどありません。
その理由を、企業の採用担当者の視点から解説します。
① 仕事で求められるレベルに達していない
簿記3級・FP3級・ITパスポート・MOSは、「基礎知識がある」ことの証明にすぎず、実務レベルには不十分です。
資格 | 企業が求めるレベル |
---|---|
FP3級 | 資産運用の基礎知識のみ。実務にはFP2級以上が必須 |
簿記3級 | 仕訳レベルの知識のみ。経理職では簿記2級以上が求められる |
ITパスポート | ITの基礎知識のみ。エンジニア・IT職には実務スキルが必要 |
MOS | Officeの基本操作ができるだけ。事務職経験のほうが重要視される |
採用担当としての実感として、これらの資格があるだけでは「実務ができる」とは判断できません。
② 競争力が低く、差別化にならない
これらの資格は取得者が非常に多く、「持っていてもまったく珍しくない」レベルの資格です。
例えば…
✅ 簿記3級の合格者数は年間約20万人
✅ ITパスポートは年間約10万人が合格
つまり、「資格を持っているだけ」では他の応募者と差別化できません。
「実務経験がある人」と比べると、圧倒的に不利になります。
③ 実務経験が圧倒的に優先される
格を持っていること自体は決して無駄ではありません。
ただ、企業が最も重視するのは、「実際に何ができるか?」 という点です。
例えば…
✅ MOSを持っていても、Excelで関数やマクロを活用した業務改善ができなければ、即戦力としての評価は難しい
✅ 簿記3級を持っていても、経理業務の実務経験がないと「すぐに仕事を任せられる」と判断されにくい
✅ ITパスポートを持っていても、プログラミングやシステム運用のスキルがなければ、エンジニア職の採用にはつながらない
資格は、基礎知識があることの証明にはなりますが、それをどう実務に活かせるかが評価のポイントになります。
「資格を取った=スキルがある」と思われるわけではないので、資格を持っているなら、その知識を使って何ができるか?をアピールできるようにすることが大切です。
では、どの資格なら評価されるのか?
「資格だけでは転職できない」という現実はありますが、ある程度の評価につながる資格 も存在します。
たとえば…
✅ FP2級 → 金融・保険業界では評価されることが多い
✅ 簿記2級 → 経理職の必須条件になっていることが多い
✅ 応用情報技術者試験 → IT業界の基礎スキルを証明できる
これらの資格は、転職市場で「業務に役立つ知識がある」とみなされやすいものです。
ただし、資格を持っているだけで採用が決まるわけではなく、「実際にどのように活かせるのか?」を示すことが大切 です。
資格を取得したら、それを活かした経験を積んでいくことがポイントになります。
たとえば…
- FP2級を取ったら、家計管理や資産運用のアドバイスをできるようにする
- 簿記2級を取ったら、会計ソフトを使って試算表を作る練習をする
- 応用情報技術者試験を取ったら、プログラミングやデータ分析の実践に挑戦する
「資格を取った」という事実よりも、「資格の知識をどう活かせるのか?」を企業は重視します。
資格をうまく活かせるスキルや経験を積んでいけば、転職でもしっかり評価されるようになります。
実務経験がない場合の対策
「資格だけでは転職に有利にならない」ことは分かったけれど、実務経験がない人はどうすればいいのか?特にキャリアチェンジを考えている人にとって、実務経験の壁は大きな問題です。
ここでは、未経験から実務経験を積むための具体的な方法を紹介します。
① 現職で経験を積む(社内異動・業務の幅を広げる)
いきなり転職を考える前に、今の職場で経験を積める可能性はないか?を考えることが重要です。
✅ 経理職を目指す場合
- 現職で経費精算・請求書処理を担当してみる
- 経理部門に異動希望を出す
- 会社の財務・会計データを分析する業務を提案
✅ ITエンジニアを目指す場合
- 社内のシステム改善・デジタル化プロジェクトに参加する
- ExcelのマクロやRPA(自動化ツール)を活用し、業務効率化を図る
- IT部門と連携し、データ分析や業務ツール開発に関わる
✅ Webマーケターを目指す場合
- 会社のSNS運用を手伝う
- 社内ブログや広報記事の執筆を担当する
- 自社のマーケティングチームと協力し、分析業務に関わる
💡 転職する前に「社内でスキルをつける」という選択肢を検討しよう!
② 実務研修・スクールを活用する(企業と連携したものを選ぶ)
未経験から即戦力として採用されるには、「実際に業務をこなせるレベルのスキル」を持つことが必要です。最近では、実務研修つきのスクールや転職支援がある講座も増えており、効率よくスキルを身につける手段になります。
✅ 経理職を目指す場合
- 経理実務研修つきスクール(ex: マネーフォワードの経理研修)を受講する
- 簿記2級+実務スキルを身につけ、転職市場で評価されるレベルに
✅ ITエンジニアを目指す場合
- 転職支援つきプログラミングスクール(ex: DMM WEBCAMP, テックキャンプ)を利用する
- 実際の開発プロジェクトに参加できるカリキュラムを選ぶ
✅ Webマーケターを目指す場合
- マーケティング実践型スクール(ex: マケキャン by DMM)で企業案件に携わる
- Google広告やSEOの実務スキルを学び、成果を出せる状態にする
💡 「実務経験あり」と言えるような研修・スクールを選ぶのがポイント!
③ 副業やポートフォリオを活用して「実務経験に近い実績」を作る
企業は「資格があるか?」よりも「実際に仕事で使えるか?」を評価するため、副業や個人プロジェクトで経験を積むのも有効です。
✅ 経理職を目指す場合
- クラウドワークスで「記帳・経理補助」の案件を受注する
- freeeやマネーフォワードを使い、架空の決算書を作成してみる
✅ ITエンジニアを目指す場合
- GitHubに個人プロジェクトを公開する
- クラウドワークスで小規模なプログラミング案件を受注する
✅ Webマーケターを目指す場合
- 自分でブログやSNSを運営し、SEOや広告運用の実績を作る
💡 「実務未経験」でも、個人でスキルを証明する方法を作れば転職時に評価されやすい!
④ 転職エージェントを活用し、「未経験歓迎の求人」を狙う
未経験からの転職は、「第二新卒枠」「ポテンシャル採用枠」のある求人を狙うのがポイントです。転職エージェントを利用すると、非公開求人や未経験OKの案件を紹介してもらえます。
✅ 経理職なら → 「未経験OKの経理アシスタント職」を探す
✅ ITエンジニアなら → 「プログラミング研修つきの未経験エンジニア求人」を狙う
✅ Webマーケターなら → 「マーケティングアシスタント職」で経験を積む
💡 「未経験OKの求人」を見つけるなら、転職エージェントを活用するのが効率的!
⑤ 職業訓練・ジョブ型研修を利用する
国や自治体が提供する**職業訓練(ハロートレーニング)**を活用すれば、無料or低コストでスキルを学べます。
✅ 経理職なら → 「経理実務研修付き職業訓練」を受ける
✅ ITエンジニアなら → 「プログラミング研修付きの職業訓練校」に通う
✅ Webマーケターなら → 「デジタルマーケティング講座」を活用
💡 職業訓練は無料で受講できる場合も多いので、転職コストを抑えたい人におすすめ!
まとめ|:「資格+実務経験」をセットで考えよう!
✅ 資格(FP2級・簿記2級・応用情報など)は評価されることもあるが、それだけでは転職は難しい
✅ 企業が求めるのは「実際に何ができるか?」であり、実務経験が最優先
✅ 未経験でも転職できるように、スキルを証明する経験を積むのが重要
✅ 転職を成功させるために、社内異動・スクール・副業・職業訓練を活用するのが有効
「資格を取れば転職できる」ではなく、「資格+実務経験」を意識することが、キャリアチェンジ成功のカギ!